
キヤノン公式サイト参照:https://canon.jp/biz/product/camera/pro-imaging/cinema-eos/lineup/ces-camera/c50
EOS C50は小規模の映像制作現場に最適なカメラ
《登場人物》
- キヤノ坊:公平で知的なカメラ愛好者。冷静な解説役。
- 名無しくん:EOS R5 Mark IIユーザー。最近本格的な動画機が気になっている。
C70・R5Cとの違い
キヤノ坊、ちょっと聞きたいんだけどさ。C50って発表されたじゃん?なんか新しいシネマEOSのエントリー機ってことらしいけど、結局どんなカメラなのかよく分かんなくて。C70とかR5Cとも比べられてるけど、どのへんが違うんだろう?
お、C50か。今一番注目のカメラだね。じゃあ順番に整理して話すよ。C50はCanonのシネマEOSラインの新しいエントリー機で、いわば「プロの映像制作に必要なスペックを小型・軽量ボディに搭載したシネマカメラ」って立ち位置なんだ。そのコンセプト通り、見た目はシネマカメラにしてはコンパクトな方だけど、中身はシネマEOSの思想に寄せてあってかなり充実してる。
なるほど。じゃあC70とかR5Cと比べるとどうなん?
C70はSuper35mmのDGO(デュアルゲインアウトプット)センサーを搭載してるんだけど、C50はフルサイズセンサー。ここが一番大きな違い。
DGOっていうのは、1フレームの中で2種類のゲインを同時に取り込む方式のことで、これよって16+stopsのダイナミックレンジを確保することで、低ノイズのHDR動画を生成でいるんだ。対してC50はフルサイズCMOSだけどDGOは非搭載で、ダイナミックレンジは15+stops。
へー、じゃあダイナミックレンジはC70の方が有利なんだ。でもフルサイズってのはやっぱり大きいよね?
そうそう。フルサイズだとやっぱりボケ感のコントロールや広角での表現力が強い。暗所性能も高くなるしね。C50はR5Cのセンサーをベースに新規開発したという噂で、最大7K60P内部RAW記録ができる。
あ、R5Cのセンサーがベースなんだ。じゃあR5Cと何が違うの?
R5CはR5ベースのハイブリッド機。だから写真も8K動画も撮れるけど、その分ボディサイズも大きめで、電源も2系統になってて扱いが少し面倒。それに対してC50は動画専用機能を充実させたボディだから、UIやボタン配置もシネマEOSらしい操作性になってる。
あと冷却システムが最適化されてて、長時間収録が安定してできる。
なるほど、動画専用で割り切ってるからこそ安定してるってことか。じゃあ手ブレ補正はどうなの?R5CはIBISあったよね?
ここは誤解されているポイントだけど、R5CもC50もIBIS(ボディ内手ブレ補正)は非搭載。ここは割り切ってる。代わりに電子ISが使えるし、EFやRFのレンズ側ISはちゃんと効く。とはいえジンバル無しだと厳しい場面は出てくるから、使い方は注意が必要だね。
そこはちょっと惜しいな。でもシネマEOSってそういう割り切り結構あるよね。
じゃあ記録フォーマットはどう?
C50は7K60P内蔵RAW、XF-HEVC SとXF-AVC Sではオーバーサンプリングに4K 4:2:2 10bit、オープンゲート記録、2K縦横同時記録とかなり隙がない仕様を積んできてるね、。
CFexpressとSDカードの同時収録もいろんなパターンで記録できるから、かなり使いやすい。
おお、それはありがたい。やっぱりプロの現場だと同時記録は必須だよね。
C50の撮影性能
キヤノ坊、C50の撮影性能についてもうちょっと突っ込んでもいい?
スペックの表面的なとこは分かったけど、収録形式とかフレームレートとか、実際の運用に直結する部分が知りたいんだよ。
なんかC70とかR5Cとの違いがそこに出そうな気がしてさ。
もちろん。
まずCinema RAW Light(12bit)はオープンゲート(フルサイズ 3:2)で最大7K30p、フルサイズ・Super 35mm・Super 16mmで最大7K60p収録ができる。
XF-AVCだと4:2:2 10bitで最大DCI 4K60p、XF-HEVC Sだと4:2:2 10bitで最大7K30pもしくはDCI 4K60pだね。
C70のRAWはSuper 35mmで最大DCI 4K60pまでだけど、さっきのDGOセンサーで16+ストップのダイナミックレンジがあるから、Log収録でもかなり粘りのある画になる。
R5Cは最大8K60pのRAWが撮れるから、8K必須っていう人はR5Cに行くしかないけど、C50は8KとかHDR撮影じゃなくてもワークフローが回る層をターゲットにしてる感じかな。
なるほどな。じゃあハイフレームレートはどう?俺スローモーション素材は必須なんだよね。
そこ重要だね。C50はRAWだとSuper 16mmで2.5K150pまで。XF-AVC・XF-HEVC Sだと4K120p、2.5K180pまで撮れるよ。
C70も4K120p・2K180pまで、R5Cも4K120pまでいけるから、ハイフレームレート撮影はそこまで変わらないかな。
ふーん、結構性能いいんだな。最近縦動画のスローモーションも需要あるから、結構便利かも。
そうだね。従来のテレビCMとかWebコンテンツなら4K120ppで十分だし、SNS用の縦動画なら十分な性能だよ。
ただスポーツとかワイルドライフの高画素スロモが欲しい人にはC50はちょっと物足りないかも。
音声・インターフェース
なるほどね。じゃあ音声周りは?
R5Cって確かXLRは別売のアダプタつけないとダメだったよね?
うん、R5Cはマルチアクセサリーシュー経由でTascamのXLRアダプターを使う。そうすると4チャンネルでのオーディオ収録ができるよ。
C50は標準ハンドルユニットがあるからそれを使えばXLR接続でマイクが使える。
C70はボディにミニXLR端子が付いてるから、アダプターを介さなくても現場でもそのままガンマイクやワイヤレス受信機つなげられる。
マジか。そこの取り回しはC70の方が便利なんだな。
業務用途だと音声ってシビアだからC50を買うならハンドルユニットは必須なんだな。
そうだね。C50は軽量コンパクトを優先した結果で割り切ってる感じだね。
C50はあくまで「シネマEOSへの入り口」。本格的に音声を詰めるならC70以上が望ましいよ。
ただ、最近は小型の外部レコーダーをカメラと併用する人も多いから、そこまで致命的じゃないかも。
そうなんだ。じゃあ外部出力はどうなん?
HDMIってちゃんとフルサイズ搭載してる?
うん、もちろんC50はフルサイズHDMIだよ。
HDMIからAtomos Ninja V+みたいなモニター/レコーダーを使用して外部収録できるから便利だね。
おー、そこはやっぱりプロ仕様だね。
他にC50のメリットって何かある?
あとは小型モデルなのに放熱ファンはちゃんと付いてるからオーバーヒートしないことだね。
だから小規模な撮影現場はもちろんだけど、ウェディング、ドキュメンタリー、YouTubeのハイエンド制作にはすごく使いやすいと思う。
仕様上はノンストップ記録と謳っていて、連続で何時間でも撮れる設計。オーバーヒートで止まることは基本的にない。C70もそうだけど、業務用シネマEOSは「止まらないカメラ」っていうのが大事なんだよ。
あー、それは安心だね。R5Cは長時間回すとバッテリーとか熱がきついって聞いててちょっと心配だったからさ。
価格
C50はだいたい3,899ドル前後、日本だと58万円前後くらいになると思う。C70が約75万円、R5Cが50万円くらいだから、ちょうど中間くらいのカメラって感じかな。
エントリーシネマとはいえ決して安くはない価格だけど、業務で使うなら投資する価値はあるよ。
C50を買うべき人は?
なるほどね。おかげでだんだん見えてきたわ。つまりC50を買うべき人は「安定したフルサイズシネマを安く導入したい人」って感じ?
うん、まとめるなら「Canonユーザーで本格的な業務用カメラがほしいけど、C70まではいらない人」。
・フルサイズの表現力を欲しい
・長時間の安定した収録をしたい
・シンプルな操作系でサクサク現場回したい
こういう人には最適だね。逆に、HDR納品とかダイナミックレンジ重視の人はC70を選ぶ方がいいと思うよ。
なるほど。R5Cユーザーがサブ機にC50持つってのはアリ?
R5Cユーザーなら買い替えの方がいいかもね。センサーが近いから過去の素材とも色が揃えやすいし。最初はお試しで
GOOPASS(グーパス)
とかでレンタルしてみるといいかも。


たしかに。まずはお試しで使ってみて、実際に現場が回せそうなら手が出る値段だし買えばいいって感じか。
そうだね。C50はプロからしたら中途半端に見えるかもしれないけど、「必要十分な性能」と「シネマEOSらしい安定性」をバランスさせた機種なんだよ。特に長時間撮影が多い人にはかなり刺さると思う。
いやー、やっぱり詳しく聞くと整理できるな。ありがとう!
俺も最初「C50って地味じゃね?」って思ってたけど、案外合ってる人多そうだね。
そうそう。派手さはないけど、現場で「止まらない」「安定して動く」ってめちゃくちゃ大事だからね。
カメラって数字よりも実運用で評価が決まるところあるし。
分かりやすいな。キヤノ坊的にはC50は買う価値あると思う?
うーん、そこはやっぱり用途次第かな。Vlogや趣味撮影ならオーバースペック。でも、映像制作でガッツリ使うなら「価格と性能のバランスがいいシネマEOS」だから確実にオススメ。特にフルサイズが欲しくて、RAWにこだわらないならC50はすごく魅力的。
結局、どういう現場で使うかを基準に選ぶのが正解だよ。
うーん……ますます悩むけど、すごく整理できた!やっぱキヤノ坊に聞いてよかったわ。
はは、悩むのもカメラ選びの楽しみだからね。C50が気になるなら一度レンタルして試すのがいいよ。数字じゃ見えない使いやすさもあるからさ。
※会話の中には一部事実と異なる内容が含まれている場合がありますのでご注意ください。
Canon C50に関するFAQまとめ
Canon C50はどんなカメラですか?
Canon C50は、シネマEOSラインの新しいエントリー機です。小型・軽量ボディにフルサイズセンサーを搭載し、7K60p内部RAW収録やプロ向けの操作系を備えた、映像制作入門に最適なシネマカメラです。
C50、C70、R5Cの違いは?
C50:フルサイズセンサー搭載で7K60p RAW対応。動画専用設計により長時間安定収録が可能。
C70:Super35mm DGOセンサー搭載で16+ストップのダイナミックレンジ。HDRやLog撮影に強い。
R5C:静止画+動画のハイブリッド。8K60p RAW撮影可能だが長時間運用は不利。
Canon C50はどんな収録フォーマットに対応していますか?
Cinema RAW Light(12bit):最大7K60p(オープンゲート)
XF-AVC:4:2:2 10bit 最大DCI 4K60p
XF-HEVC S:4:2:2 10bit 最大7K30p / 4K60p
ハイフレームレート:RAWで2.5K150p、XF-AVC/XF-HEVC Sで4K120p・2.5K180p
Canon C50の手ブレ補正はありますか?
C50にはIBIS(ボディ内手ブレ補正)は非搭載です。電子ISやレンズ側のISを利用できます。ジンバル運用を前提にした設計です。
音声入力はどのように対応していますか?
C50は標準ハンドルユニット経由でXLR入力に対応します。C70はミニXLR端子をボディに内蔵、R5Cはアダプターが必要です。C50は軽量化を優先しており、ハンドルユニット使用が前提です。
Canon C50は外部出力に対応していますか?
はい。フルサイズHDMI端子を搭載し、Atomos Ninja V+などの外部レコーダーでの収録が可能です。業務用の現場でも安心して利用できます。
Canon C50の放熱性能や連続撮影時間は?
小型ながら放熱ファンを内蔵し、ノンストップで長時間収録可能です。オーバーヒートによる停止リスクはほぼなく、業務用途に適しています。
Canon C50の価格はいくらですか?
海外では約3,899ドル、日本では58万円前後です。C70(約75万円)とR5C(約50万円)の中間価格帯に位置します。
Canon C50はどんな人におすすめですか?
フルサイズセンサーを使いたい映像制作者、長時間安定した収録が必要な人、シンプルなUIで効率よく現場を回したい人に最適です。HDR重視ならC70、8K必須ならR5Cが向いています。
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